これが勝負師なんだね「聖の青春」感想 ~ネタバレあり~

【あらすじ】

29歳という若さで夭逝した天才棋士 村山聖九段の生涯を描いた作品。生涯とはなっていますが、主に村山九段が上京する前くらいから亡くなるまでの数年間の物語がメインになっています。

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【感想】

幼い頃にネフローゼという病気にかかり、入院中に同室なのかな?他の子どもに将棋で負けて「もう一回!」みたいな感じのシーンが将棋を始めるきっかけになったのか?と思わせるシーンがありましたが、一部フィクションも入っているらしいのでここは不明です。

 

観始めた時に最初に思ったのは、

「この人、変わってる・・・」でした。

病気のために顔のむくみなどがあるのはわかったんですが、子供のようなかわいらしい顔をしているのに好んでトレンチコートを着ていたり、少女漫画が好きで読んでいたり、よくわけのわからないこだわりがところどころにみられたり。

女性が好きそうなマンションを気に入っているあたりはすごく笑えました。

強烈だけど、個性的で面白い。

一般的には失礼と思われるような発言も多々あるのに、なんだか憎めない感じ。

 

そこから一転、膀胱がんが見つかり、また、ネフローゼの症状でしょうか、村山さんの症状が悪化しているのかしんどそうな感じが漂うんです。

そこから鬼気迫るものを感じるようになります。

ともかく、ずっとしんどそうなんです。実際、調子のいい時なんてない、てセリフもありました。

 

この人にとっての将棋は「殺るか殺られるか」なんだと。

病状が悪化していることは本人も十分に分かっていると思うんです。最初は考えたくないのかと思ったんですが、確かにそれはないとは言い切れないけど、でももしかしたらどこまで進めるのかを考えていたのかもしれない、と思ってしまいました。

終盤、羽生さんと対戦があるんですが、そのシーンに胸を打たれました。元々、羽生さんの近くにいたくて上京したくらいに羽生さんの強さを認めている村山さん。

ただただ、静寂の中で将棋を指し続けるシーンなんですが、深い海の中のようだと感じたんです。二人だけに見える海の中で将棋を指し続ける。

それとも対局自体が二人にしか見えない海を見せているのか。

そこで村山さんが落手をします。

羽生さんはもちろん気付いているんでしょう。そこで羽生さんが少し泣いているんです。

それはきっと楽しくて仕方ない村山さんとの対戦が終わってしまうことへの悲しみなのか、落手によって村山さんの体調の悪化とそれの意味することを感じての悲しみなのか。

まさに壮絶だな、と思いましたね。

 

この人は命をかけたんだと。

意外だったのが、結婚して子供を持ちたいと考えていたというんですね。破天荒でマイペースで将棋のことしか考えていないのかと思ってたんですが。その叶えられない望みを口にする姿に、悲しみがすごく見えてしまって。

家族もそうなんです。

お母さんはただ、生きていて欲しいだけなんだな、て。

だから、自宅で村山さんが静養している時、夜、聞こえてくる将棋を指す音に思わず立ち上がるんです。

それを厳しく止める父親。

ただ、生きて欲しいから体を休めて欲しい。でも、先が短いことも知っているから好きにさせてあげたいとも思っている。

 

村山さんが自分が死んだら密葬にして欲しいとお父さんに言うんですね。それもお互い冗談を言いながら笑いあって。

「なんの話?」なんて笑って聞いてくるお母さんには内緒にします。これはそうだろうな、と。絶対笑えないと思うから。

母親にとっては自分が腹を痛めて生んだ「子供」のままで、尚且つ、丈夫に生んであげられなかったと自分を責めているから余計に受け入れらないんだと。

でも不思議とお父さんと密葬の話で笑っているシーンの方がより胸を痛くさせるんです。なんでだろう。

 

なんだかものすごくまとまってないけど、いい映画でした。

 

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